交通・通信

台湾のタクシー配車アプリ:大手4社のアプリを紹介

台湾のタクシー配車アプリについて紹介します。

台湾旅行中にタクシーでの移動を考えているんだけど、流しのタクシーは少し不安...

いろいろなタクシー配車アプリがあるみたいだけど、違いがよくわからない。

どんなタクシー会社のアプリがあるんだろう?

日本語対応しているアプリはあるのかな?

この記事では、そういった疑問にお答えします。

この記事でわかること

  • 台湾でよく使われているタクシー配車アプリがわかる
  • 各タクシー配車アプリの特徴がわかる
  • 台湾のタクシーの種類がわかる
  • タクシー配車アプリ使用で注意したいことがわかる、などなど

スポンサーリンク

はじめに:台湾のタクシーの種類

台湾のタクシー配車アプリを紹介する前に、台湾のタクシーの種類についてかんたんに説明します。

中国語(台湾華語)で計程車(ジーツェンチャ)と呼ばれるタクシーですが、台湾のタクシーは現在大まかに2つのカテゴリーがあります。

ひとつは皆さんが台湾のタクシーと聞いて思い浮かべる黄色い車体の「一般タクシー」。

車体カラーの黄色は政府の規定で決められていて、その色から台湾では小黄(シャオホァン)という愛称でもよく呼ばれます。

もうひとつは、車体カラーが黄色でない「多元化タクシー」。

この多元化タクシー(多元化計程車)はもともと、台湾でライドシェアのサービスを提供していたUberが台湾の法令に反しているとされ、業務停止となったことが誕生のきっかけのひとつになっています。

台湾Uberの業務停止後、Uberの仕事がなくなった個人ドライバー、さらにユーザーからの要望などもあり、政府が規制緩和を実施。業務用の免許と営業許可の取得に加え、タクシー会社の社員または契約ドライバーになれば客を乗せて営業できるようにしたのが多元化タクシーです。

現在はUberのほか、多くのタクシー会社が多元化タクシーの配車サービスを提供。この記事で紹介する配車アプリはいずれも一般のタクシー以外に多元化タクシーも配車しています。

一般的に多元化タクシーは比較的きれいな車両が多く、運転も丁寧だと言われています。

一般タクシーと多元化タクシーの違い

一般タクシー 多元化タクシー
車両外観 黄色 黄色以外
ナンバープレート 白地に”T"から始まる赤文字 白地に”T"から始まる赤文字
行灯 あり なし
呼び方 電話、アプリ、流し、タクシー乗り場の客待ち アプリ、電話 ※流し、客待ちは禁止
支払い方法 現金、クレジットカード、電子決済 ※現金以外は会社ごとに異なる 現金、クレジットカード、電子決済※会社ごとに異なる

こちらの表が一般のタクシーと多元化タクシーの比較です。

前述しましたが、大きく異なるのはやはり車両の外観。一般タクシーが黄色なのに対し、多元化タクシーは黄色が禁止。そのためナンバープレート以外は一般車と見分けがつきません。

あとは呼び方(つかまえ方)も一部異なります。一般タクシーは路上を流したり、駅などのタクシー乗り場で客待ちしているタクシーをつかまえられますが、多元化タクシーには認められていません。多元化タクシーはアプリまたは電話で呼ぶ必要があります。

タクシーの運賃について

台湾の一般タクシーと多元化タクシーの運賃について。

一般タクシーの料金計算は原則メーター制で、日本と同じように初乗りプラス距離(時間)で加算される方式。

台湾の一般タクシー初乗り料金や距離・時間加算のルールは自治体ごとに異なり、台北、台中、高雄などの大都市は初乗り85元(約400円)、南部の嘉義、東部の花蓮、台東で100元(約473円)、最も高いのは北東部・宜蘭の120元(約567円)です。

ただし、台湾大車隊の台北〜桃園空港など固定料金でサービスを提供している場合もあります。

一方、多元化タクシーは会社ごとにメーターを使うところ、Uberのように事前に目的地までの料金を提示するところがあります。

メーター制の場合は会社ごとに異なりますが、概ね各自治体の一般タクシー規定に沿った料金がベースで、その1.2〜1.5倍になるパターンが多いです。原則、一般のタクシー料金より安くなることはありません。

Uberが採用している事前に目的地までの料金を提示するパターンは、ダイナミックプライシングと呼ばれる需給バランスによる料金変動性。場合によっては一般タクシーより安い場合がありますが、個人的な印象としては一般タクシーより少し高いぐらいです。

台湾各地の一般タクシー料金は、台湾のタクシー料金ガイド・各地の初乗り料金と計算方法を紹介!で詳しく紹介しています。

ポイント

一般タクシー(黄色)の運賃はメーター制

多元化タクシーの運賃はメーターまたは固定、メーターの場合は一般タクシーより少し高くなる

スポンサーリンク

台湾のタクシー配車アプリ、大手4社のアプリを紹介

台湾には数多くのタクシー配車アプリがありますが、この記事では以下の4つを紹介します。

  1. Uber
  2. 台湾大車隊 55688
  3. Line Taxi
  4. Yoxi

Uberを除けば、他はすべて台湾の大手タクシー会社が自社で提供しているアプリで、台湾の比較的広いエリアで使用できます。

また、いずれも台湾のランキングでは上位に入るタクシー配車アプリです。

Uber

2013年に台湾に進出してきたUber

現在はUberの代表的な配車サービスで、事前に提示が確定されるUber X(菁英優步)のほか、台湾のタクシー会社と提携したUber Taxi(優步小黃)という一般の黄色いタクシー配車サービスも提供中。

車両が比較的きれいなことや乗車料金が割引になるプロモーションを行うなど人気が高く、台湾ではタクシー配車アプリのランキングでも常に上位に入っています。

あと、Uberの配車アプリはインターフェースが日本語対応していて、外国でも使いやすいのがポイント。

ちなみにUber Xというサービスは台湾ではタクシーの一種である「多元化タクシー」です。

台湾では一般のタクシーの車体カラーは黄色と決められていますが、多元化タクシーは黄色にしてはいけない決まりになっています。また、屋根に行灯もないため普通の乗用車と見分けがつきませんが、白タクと違い政府の認可を受けて営業している正規のタクシーです。

Uber配車アプリの詳しい情報は、台湾のUberタクシーのサービスと使い方の記事で紹介しています。

Uberアプリの特徴

アプリが日本語に対応している

いわゆるライドシェアと一般のタクシーを選べる

台湾のかなり広いエリアでタクシーを呼べる

車両が比較的きれいなものが多い

タクシー料金が安くなるプロモーションが時々ある

Uber(ウーバー):タクシーが呼べるタクシー配車アプリ

Uber(ウーバー):タクシーが呼べるタクシー配車アプリ

Uber Technologies, Inc.無料posted withアプリーチ

台湾大車隊55688

続いては台湾のタクシー最大手、台湾大車隊のアプリ55688

金門と澎湖以外の離島を除き、台湾のほぼ全土でサービスを提供する唯一のタクシーグループ。また、台湾大車隊の車両台数23,000台はダントツの業界1位です。

アプリでの配車サービス開始は2011年。早くからアプリによる配車を始めており、車種の選択や運賃見積り提示はもちろんチャイルドシート付き、ペット同乗、空気清浄機付き車両、会話なしなど様々なサービスが選択できます。

また、現金、クレジットカードのほかに交通系ICカードの悠遊カード、各種電子マネーなど支払方法の選択肢も豊富。

台湾大車隊のアプリ55688の使い方は、台湾のタクシー配車アプリ「55688」会員登録と使い方を解説で紹介しています。

台湾大車隊 55688の特徴

台湾最大のタクシーグループで台数が最も多い

台湾の全土でタクシーを呼べる(金門、澎湖以外の離島を除く)

支払い方法の選択肢が多い

台北市内から桃園空港まで固定料金のプランがある

55688 台灣大車隊

55688 台灣大車隊

Taiwan Intelligent Life Co., Ltd.無料posted withアプリーチ

台湾大車隊のタクシーを日本語で呼べる「大和自動車」アプリ

台湾大車隊55688アプリは台湾のほぼ全土で使えるものの、日本語対応がないのが惜しいところ。でも、心配いりません。

日本のタクシー会社、大和自動車の配車アプリは海外ローミングサービスを実施していて、台湾で台湾大車隊のタクシーを呼ぶことができるんです。

タクシー呼ぶときの場所指定は直接入力のほかに地図上に表示されるスポットなどでもでき、使い方はかんたん。台北から桃園空港へのタクシー定額サービスも予約できますよ。

配車手数料もかからないので、台湾旅行に行く前にダウンロードしておくと安心です。

大和自動車交通タクシー配車

大和自動車交通タクシー配車

DAIWA MOTOR TRANSPORTATION CO., LTD.無料posted withアプリーチ

LINE TAXI

次に紹介するのは、新興タクシー会社ながら人気上昇中のLINE TAXI

2017年にTaxiGoという名称で登場しましたが、2019年にLINEの運営会社が大株主になりLINE TAXIに生まれ変わりました。

LINEのサービスのひとつなので、スマホにLINEが入っていれば新たにアプリをダウンロードする必要がありません。LINEのサービスにある「LINE TAXI」のメニューでタクシーを呼ぶことができます(日本でインストールしたLINEでは実験していませんので、あらかじめご了承ください)。

車両数は2022年の統計で12,000台でしたが、2023年6月に台湾の自動車メーカーで日産系の裕隆日産などを傘下に持つ裕隆グループが株式の過半数を取得。今後さらに増えると見られています。

LINE TAXIの特徴

スマホにLINEアプリが入っていれば新たにアプリをダウンロードする必要がない

タクシー配車、支払い、評価などがLINEアプリ内で完結できる

配車画面(UI)がシンプルでわかりやすい

ドライバーと乗客間のサービス品質向上のため、相互評価システムを採用している

Yoxi

LINE TAXIの次も新興タクシー会社のひとつYoxi

さきほどのLINE TAXIは日産系でしたが、こちらは台湾の自動車大手でトヨタ、レクサスを販売している和泰汽車の系列。

このYoxiは大手自動車がバックなだけあって、使用車両が登録から5年以内というのを大きく打ち出しています。

やっぱり車両が新しいと、きれいなタクシーにあたる確率も高いので気持ちよく乗車できそうですよね。

あとYoxiのもう一つのウリは保険。

台湾のタクシーは政府の規定で乗客1人あたり150万台湾元以上の乗客責任保険に加入することが義務付けられていますが、

Yoxiは業界最高の乗客1人あたり最高1000万元(車両1台あたり最高5000万元)の保険に加入しているのがセールスポイントです。

Yoxiのいいところ

TOYOTA系の会社なので車両はTOYOTA、LEXUSの車両

タクシーはすべて登録5年以内の新しめの車両

業界最高の乗客1人あたり1000万元までの保険に加入

Yoxiの配車アプリのダウンロードはYoxi公式ウェブサイトからどうぞ

台湾のタクシー配車アプリを選ぶときのポイント

台湾でタクシー配車アプリを選ぶときに、チェックしたいポイントを挙げてみます。

  • アプリが対応しているサービスの範囲
  • アプリが日本語に対応しているか
  • アプリが対応している支払い方法
  • チャイルドシートやペット同乗などのニーズに合うか

サービスの範囲については、この記事で紹介しているタクシー配車アプリはじずれも大手なので、台湾の多くの地域で使えます。ただし、一部サービス範囲でないところもありますのでご注意ください。

日本語対応も比較的、重視されるポイント。現在、台湾で日本語対応しているタクシー配車アプリはUber、そして台湾大車隊と国際ローミングを行っている大和自動車の2つです。

各タクシー配車アプリ対応エリア、サービス比較

Uber 台湾大車隊55688 LINE TAXI Yoxi
サービス範囲 台北、新北、基隆、桃園、新竹、台中、彰化、南投、台南、高雄、屏東、宜蘭 台湾全土(金門、澎湖以外の離島を除く) 台北、新北、基隆、桃園、新竹、苗栗、台中、彰化、南投、嘉義、雲林、台南、高雄、屏東、宜蘭、花蓮、台東 台北、新北、基隆、桃園、新竹、台中、彰化、南投、台南、高雄、屏東、宜蘭
支払い方法 現金、クレジットカード 現金、クレジットカード、悠遊カード、各種モバイル決済 現金、クレジットカード、LINE Pay 現金、クレジットカード、悠遊カード&一卡通(一部地域のみ)
チャイルドシート 多元化タクシー Uber Chiled Seat(寶寶優步)で指定可能 多元化タクシー(寶寶多元)で指定可能 多元化タクシー(寶寶多元)で指定可能 なし
アプリ日本語対応 あり なし(一般のタクシーは大和自動車APPで代用可) なし なし

上記のサービス範囲は一般タクシーのもので、多元化タクシーのサービス範囲は会社ごとに異なる場合があります。

台湾のタクシー配車アプリ、注意しておきたいこと

台湾でタクシー配車アプリを使うにあたり、注意しておきたいのが以下の項目

  • あらかじめ日本でアプリをインストールしておく
  • アプリを使用する時はネット接続できる環境が必要
  • タクシー到着時に車両ナンバーを確認する
  • 現金で支払う場合なるべく1000元札より小さいお札を用意しておく

台湾のタクシー配車アプリは使う前の会員登録などで、携帯番号の登録やSMSを使った認証が必要なものが多いです。ですので、台湾を訪れる前にインストールしておくことをおすすめします。

そして、台湾に着いて「いざタクシーアプリを使おう!!」というときに必要なのがネット環境。SIMカードやモバイルWiFiをあらかじめ日本で用意する、あるいは桃園空港などでゲットしておきましょう。

タクシーの番号(ナンバープレート)については、アプリで配車した時にタクシーの番号が表示されます。タクシーが乗車地点に到着したら、必ず番号がアプリで提供されたものと一致しているか確認してから乗りましょう。

最後に現金支払いのときのお札。日本ほどではないにせよ、台湾のタクシーも高額紙幣での支払いはあまり歓迎されません。釣り銭(お札)もない場合がありますので、あらかじめ100元か500元札を用意しておくことをおすすめします。

台湾桃園国際空港で受け取れる中華電信SIMカードをKKdayでみる

台北松山・台中・高雄空港で受け取れる中華電信SIMカードをKKdayでみる

まとめ:台湾のタクシー配車アプリ

ということで、台湾のタクシー配車アプリ特集でした!

台湾でタクシーを利用する場合、アプリで配車するのが比較的便利で安心です。

タクシー配車アプリを利用するメリットは大まかに

  • 事前に目的地までの料金の目安がわかる
  • 車両・ドライバー情報が提供される(セキュリティ面で比較的安心)
  • 評価システムがあり、ドライバーの質が比較的高め
  • 会社によってはチャイルドシートなどのオプションも選択可
  • 走行ルートが確認できる
  • 事前にカードなどを登録しておけばキャッシュレスで乗れる

などなどが挙げられます。

流しや客待ちのタクシーに比べると安心度は高めですので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか。

お読みいただき、ありがとうございました!

-交通・通信
-, ,